「トイレの水漏れくらい自分で直せるだろう」と安易に考えてボールタップ交換に挑戦し、思わぬ失敗をしてしまうケースは少なくありません。私の友人も、先日DIYでのボールタップ交換で苦い経験をしました。彼は、インターネットで交換方法を調べ、ホームセンターで新しいボールタップを購入。意気揚々と作業を始めたのですが、最初の関門は古いボールタップの取り外しでした。長年の水垢やサビでナットが固着しており、手持ちのレンチではびくともしません。無理に力を入れた結果、なんとタンク側の接続部分の陶器を少し欠けさせてしまったのです。幸い、大きな破損には至らなかったものの、冷や汗をかいたと言います。なんとか古い部品を取り外し、新しいボールタップを取り付けたものの、今度は接続部分からの水漏れが止まりません。パッキンの向きを間違えていたのか、締め付けが甘かったのか、あるいは締めすぎてパッキンを潰してしまったのかもしれません。何度かやり直しても改善せず、結局、床が水浸しになる前に諦めて水道業者を呼ぶことになりました。業者の方によると、彼の選んだボールタップは、彼の家のトイレタンクの型番とは微妙に適合しないタイプだったことも判明。部品選びの段階で既にミスがあったのです。この友人の体験談から学べる教訓は、まず部品選びの重要性です。必ず自宅のトイレのメーカーや型番を確認し、適合するボールタップを選ぶ必要があります。そして、作業前の止水栓の確認と、工具の準備も不可欠です。固着したナットなど、予期せぬ事態に備えておくことも大切です。少しでも不安を感じたら、無理せずプロに任せる勇気も必要だと痛感させられました。DIYは費用を抑えられますが、失敗するとかえって高くつくこともあるのです。